「ガーナクラスで学んだこと」
私は今回のJump in週末留学の中で、ガーナのクラスが特に印象に残っていて、卒業ぷれぜんではガーナのクラスで学んだこととさらにプラスアルファで自分で調べたことを物語調にして紙芝居にして発表したので、その紙芝居の写真も用いながらガーナのクラスで学んだことを紹介したいと思います。
ガーナのクラスのテーマは、在留資格と仮放免者についてで、実際にガーナ出身のゲストの方から実体験をもとにお話を伺いました。
まず、在留資格とは、外国人が外国人が日本に滞在するための許可証であり、在留資格を持っていない外国人は入国管理局につかまってしまい、強制帰国させられることになります。しかし、入国管理局につかまった外国人が一時的に滞在を許されることがあり、そのような人たちを仮放免者といいます。仮放免者の人々はあくまで仮で滞在を許されているので、様々な制限があります。
例えば、左の絵は、女の子がテーマパークに行きたいとお母さんに話していますが、お母さんが困った顔をしている場面です。仮放免者は県庁所在地以外の場所に許可なしで行くことができません。そのため、気軽にお出かけすることもできません。
また、右の絵は、保育園で仕事をしているお父さんの絵を描くことになったときに、女の子がお父さんの仕事が何なのかわからない、という場面です。仮放免者は働くことすら許されていないからです。
次の絵は、お母さんが苦しそうにしているところを女の子が心配そうに見つめている場面です。仮放免者は、保険に加入することもできません。そのため、病院に行くと高額の医療費がかかってしまいますが、働くこともできない仮放免者にとってその高額な医療費は簡単に支払えるものではなく、病院に行くことを諦める場合も多いです。
次の絵は、保育園の先生がお母さんと連絡が取れずに困っている場面です。仮放免者は携帯を契約することもできません。
そして最後は連絡が取れなかったお母さんが夜遅くにやっと迎えに来て女の子が帰宅すると、いつもいるはずのお父さんがいなかったという場面です。これは、お話を伺ったゲストの方の実体験をもとにして描いた絵です。ゲストの方によると、お父さんは家族のために在留資格を得ようとして、その手続きの段階でミスがあり、ある日突然入国管理局につかまってしまったそうです。ゲストの方は、その時は何が起こったのかわからなかったと話していました。
私は、在留資格については知っていましたが、仮放免者という存在についてはしりませんでした。そして、今回実際にその立場にいる方からお話を聞けたことで、非常に考えさせられました。
在留資格を取ればよいのではないか、と思う人も多いかもしれませんが、在留資格を取ることは簡単なことではありません。それでも不正に入国した人が悪いのではないか、という人もいるかもしれませんが、在留資格を持たない外国人の多くは、日本が労働者を必要として外国人労働者を募集したことで日本にやってきた人たちです。当時は在留資格がなくても黙認して低い賃金で働かせておいて、今になってそれはやっぱり違法だといって追い出しているのです。ただ追い出して帰国させているのみならず、在留資格のない外国人を捕まえている入国管理局内での外国人への扱いは、ウィシュマさんの事件が記憶に新しいように、とても酷いものです。
私は日本人として、非常に恥ずかしいし信じられないと感じたし、きっと多くの人が外国人の置かれている状況をきちんと知れば、私と同じように感じると思います。これは私たち日本人が動かなければ変えることのできない問題だと思います。その一歩として、まず私たちは現状について知ることからはじめるべきだと感じました。
(執筆者:世界共生学科・K)